黄昏飄然

悠然たる無職を散文的に

バスの風にまかれて
道路脇の桜が踊る
風の螺旋を一瞬描いて
また別の脇に落ちる

こうやって、春が繰り返されるのだ

汚い服をきた、ぼけ老人が
後ろ手を組み
桜並木を歩く
この人の桜の季節は
どんなものだっただろう

萎縮して行く脳が
桜を欲しているのだろうか

祖母の見た桜はきっと、桃色。