黄昏飄然

悠然たる無職を散文的に

叔父

自給自足で完全孤独、独身貴族をとうに越して、独身王族をやっている叔父が、姪っ子や、親戚の子供の世話を快く引き受けるのは、自分が残せなかった遺伝子への弔いのようなものなのか?

きっと彼にも一人や二人、色恋を楽しんだ女がいるだろう。なかなか、かわいい顔をして、偏りを持った独特の哲学はある種の女を酔わすに違いないのだ。わかる。

そんな女たちとの間に、子孫を、云々考えたこともあるはずで有り。天秤に乗せたのか、天秤さえ持たなかったのか、よくわからん。



いや、いかんいかん。だめだ。これを考えるとわたしはまた、無駄な切なさが増えてしまう。いかんいかん。

彼は、そういうのではなく、元来子供が好きなのだ。うん、そうだ。





以上。