日銭
無職ブログという、文字通り職の無い人々の日記を読んでまわる。
もう、タイトルからして自虐的で
などといった、雅とは縁の無い、むしろ極にあるほど、かけ離れた言葉の多いこと。
かといって、アーリーリタイア、セミリタイアという言葉が雅かと言えば、全くそうは思わず。勝手にリタイアでも、なんでもしていてくれ、という気分になるのである。
やはり社会的立場が無くなると、人は自虐的に自分を崇めるしかないのか?
そういったものが人気があるということは、それらを定期的に読み楽しむ読者がいるわけで、その読者たちは明日は我が身と自分に喝を入れるために、もしくはブログ作者と同じ気持ちで、はたまた、もしくは、上から高みの?
スナフキンのような、寅さんのような、堂々と揺蕩う師はいないものか。
まぁいたとして、無職をうたうよりも先に旅路を掲げる、か。
三月から、二万程昇給し、社長だってまさかこのタイミングでの退職は無いと思っただろう。
ふんだ、金じゃないんだ。わたしは、もう、自由がたまらなく恋しいのだ。
突然なんですが、五月前半で退職します。
え?なんで?うそでしょ?
あ、本当です。ちょっと、あの、旅行に出たくて。
え?あ、ちょっと、旅行に出るらしいよ。
社長がデザイナーと電話口でわたしの会話を差し置き喋っていた。
えへへすみませんと笑って電話を切る。
考えてみればエイプリルフールだ。ちょっと、悪いことしたなぁ。本気だよ。